プレゼンテーションについて思うこと – #inahack
伊那市のLoRaWANハッカソンにてセッションさせていただきました。
技術セッションばかりのなか、異色のセッションですが少しでも参考になれば幸いです。
セッションで話せなかったことや詳細についてまとめさせていただきます。
導入(つかみ)
当日のプレゼンテーションについてとまぁ真面目なタイトルにしました。
パワーポイントでぎゅうぎゅうに文字を入れてくる技術セッションとは全く趣向が違い、今回もBeautiful.AIにて資料を作成いたしました。これだけでも大分異色だったかと思います。
ちなみに秋なので秋らしく暖色系で整えました。
2日間のうちの1日目夜とのことで、「今更言うな」感は少し緩和できたのでは無いかと思います。
1日目はインプットタイムがほとんどでプレゼン資料なんて全然これからという方に向けて方針というか攻略をお伝えしたいと思って作成いたしました。
実はこの資料。事前提出が求められまして、プレゼンはナマモノ派の僕としては出来れば前日にでも用意したかったのですが、ある程度マインドマップを広げるうちにこれだけは!という内容がまとまったので2週間前になんとか完成いたしました。
当日の資料とちょっと違うかもしれませんが、ご容赦ください。(画像は開発中のものです。実際のイメージと異なる場合がございます。的な)
進捗いかがですか?
はい、いきなりケンカ売ってます。よねこれ。。。
一日目にプレゼンから作る人はなかなか居ないと思いますので、全然そんなつもりは無いのですが、まぁツカミとして許してください。作ってからじゃ遅いので、早めに伝えたいことを伝えられればと思います。
優勝はプレゼンで決まります。
一番大事なところを一番先に言いました。
2日間ずっと頑張って開発してデモを作って、発表をするんです。ハッカソンっていつも過酷ですよね。
しかも動かないものは評価がぐっと下がると何度も言われて焦る気持ちは高まる一方です。
でもどんなに頑張ったって、徹夜したって、事前にアイデアを何個も考えてきたって、最後はプレゼンの10分間で勝負は決します。
だって誰も徹夜して監視しているわけではないし、ずっと同じチームを見ていられるわけではないので、過程がおいきれないんですよね。なので当たり前ではありますが、プレゼンがものをいうわけです。
前回の優勝チームもここが本当にうまく出来ていました。
いつもの自己紹介
いっつも顔出しで発表しているのに、このキャラクター推しで行きます。だんだん恥ずかしくなくなってきました(笑)
ちなみにこのキャラクターは版権は僕にありまして、二次創作ではありません。短足の墨黒猫でオリジナリティを出すのは難しいのですが、10年も前に描いたおかげで誰からもパクられていません。(魅力が無いのかなというのは置いておいてください。)
行政の方や、大企業、超ベンチャー企業のなか、僕だけフリーランスってちょっと肩身狭いですよね(笑)
でも負けずに頑張ります。
今回は茅野市と伊那市が入るようにマップを作ってあります。(といっても拡大するだけですが)
実はいつもの自己紹介より、メンバーが増えています。
今回はプレゼンテーションについてなので、「アウトプット」という係を追加しています。
細分化することでなんでも出来るように見えてますが、フリーランスという立場で仕事をするにあたり、この全部を担当できることはほとんど無く、例えばデザインは別、バックエンドは別、で僕はコーディングだけ。ということの方が多いです。
逆に全部やるので、どんな案件にも分業で食い込めるというのが相当な強みでもあります。
バックエンドしか出来ないからそんな仕事があったら紹介して?っていうより、この案件ならこことこことここを担当出来ますがどういう役割にしましょう?って言ったほうが断然仕事頼みやすくないですか?
ちなみに現在はすっかりフロントエンジニアとしてガリガリコーディングをしていて、インフラ周りは年に数回位ですね。業界の変化に対応するのも情報をキャッチアップするのも大変ですが、日々勉強と思って頑張っています。
なんて話をしていたらセッションでは時間が終わってしまうので、フリーランスとして生き残る話はまた別の機会にします。
こんなに話すことあるわりにはすっ飛ばしたな。とセッションに参加していただいた方は思っていただければと。。。
ゴール設定
ビジネス書では常套句ですが、やっぱりこの話は重要なので、ここから真面目に話します。
数あるハッカソンに参加してきた拙い経験からすると、1番がやっぱり大きな壁になります。実装力ですよね。
伊那のハッカソンはかなりハードルが上がっていて、出来てて当然。という雰囲気があります。
普通のハッカソンは技術主体の団体が開催することが多いので、これを使えばOK的なノリがあるのですが、伊那市のハッカソンでは本当に街を変えていこうという趣旨に基づいて開催されているので、優勝はもちろんのこと、じゃあ実際に予算をつけるから運用できるとこまで行こう。というのが重要です。
なので細かくイニシャルコストやランニングコストの試算、運用後の利益まで考えること。と言われます。
机上の空論ではなくビジネスモデルとしてちゃんと成り立つように考えなくてはいけないのがかなりハードルが高いところです。
無駄なものを作って楽しむような趣旨のハッカソンとは違い結構シビアです。だって出処は血税だったりしますから。誰もが真剣に取り組む必要があります。
ちなみに予算を低めにもったとしてもし優勝した場合は、そのくらいで実運用までもって来ないといけなくなるので、個々の開発費もちゃんと計上しましょう。サービスの月額費用だけを足して端末代を載せただけだと原価ですから。
ビジネスとして責任をもって行うことの出来る無理のない開発費やミーティング費用なども考えた方が実現度としては上になります。
伊那市をモデルにセカイへ
大きなことだと思いますか?でも結局モデルを横展開することで地域格差を無くせると考えます。
今回は防災も主だったテーマになっているはず(記事執筆当時)なので、なおさら早めに横展開出来たほうが良いに決まってます。
伊那からセカイへとか出来たら最高じゃないですか。審査員の見る目もそこを重視している人も居ます。
単純に技術を使ってデモ出来ました。だと結構弱いですので、それで結局何が良いのかを徹底的に詰めましょう。そしてそれを技術者に説明するのではなく、使う人へ説明出来るようにしたほうが良いと思います。
とは言ってもセカイを目的に据えていて、審査員をクリア出来ないとまず実用化に至りません。
まぁ自分で実装して売り込んでもいいとは思いますが、今回はハッカソンです。審査員が居てこそのイベントなのでそこは重視しましょう。
一番大事なのは、審査員が必ず技術に精通しているとは限らない。ということです。
技術ハッカソンでは技術者が審査をすることが多いですが、今回は行政の人も審査します。
と、いうことは技術を知らない人でも、聞いたら、他の人に説明できる位に噛み砕かないといけません。
技術を知っている方がエラいというわけではないのですが、結局使う人がバリバリに基板設計からプログラミング、運用方法まですべて理解しているとは想定しないほうが良いです。
また、重要なポイントとして、ハッカソンで優勝した内容は間違いなく伊那市の中(長野県の中でも)共有されます。
このアイデアは自分が一押しなんだよね。って自慢できる位じゃないと得点はなかなかもらえません。
なにが言いたいかというと、あまり現状をdisらないほうが良いということです。
誰だって地元を散々バカにされて、このアイデアですべて解決するって言われてもそんなに気分は良くならないでしょう。
しかも共有されることになるので、地元をバカにされているところも含めて説明する必要があります。
SWOT分析とかならまだ良いのですが、せっかく伊那市を良くしよう!といってるのだからこんなところでテンションを下げちゃいけません。
デス・スター・・・の罠
技術ハッカソンでよくあるのが、デス・スターです。
サーバレスアーキテクチャではよく失敗例としてあげられてしまいますが、機能が複雑に絡み合い、これはこうしてこの結果はこれを使ってどうのこうの。という完全に技術を一筆書きで総なめしようと駆使している例です。そうでないと解決できないものもありますが、シンプルに構成されている方が保守しやすいのは明白なので、ここに説明を割くのは技術賞狙い以外ではやめておいたほうが無難です。
説明したいのはやまやまなんですけどねぇ。。。気持ちは分かりますが。。多分審査員は誰も聞いてないです。
むしろ、ブレイクスルーでこれだけシンプルに問題解決出来た!という方が「おおぉ!」となります。
聞こえる声で
本当によくあるのが、声が聞こえない。
聞こえはするけど聞き取れない。
普通に考えればこれだけで非常にもったいないのですが、「プレゼンテーション資料」として作り込んでしまいすぎると
紙芝居を読み上げるだけ。
となります。読み上げるのと、聴衆に話すのは根本的に違います。
ある程度は読めば分かるので、(読めないほどの字は論外です)いちいちなぞるようなことは退屈を生みます。
一度退屈を生んでしまうと挽回するのはかなり大変なので、スライドを見ながらマイクでぼそぼそ話すのはやめましょう。
くろにゃんこたんは実は演劇部も入っていたことがありますので、発声練習には自信があります。
事前に発声練習したい方はお声がけください(´ω`)
マイク無しでプレゼンが始まったらそれだけで、振り向きますよ。
つかめるのであればツカミは多いほうがいいです。
内容に自信をもっている印象にもなりますしね!
2日間も頑張って、いい内容に決っているのに、最後にボソボソ話すのは本当にもったいないです。
いいから元気に発表しよう。
ハッカソン発表のアンチパターン
冒頭の方でゴール設定という話をしたので、もう大体おわかりかと思いますが、10分間のプレゼンの中で、技術説明に時間を掛けるのは非常にもったいないです。
同じ説明を地元のおばあちゃんに話しますか?
ハッカソンという同じ舞台に立っている段階で技術を使いまくっているのはもう分かっていることなので、かなり画期的だと思う技術の使い方以外は、ざっくりで良いんです。本当ざっくりで。
詳しく言いたかったら、Qiitaとかブログとかで発信しましょう。求める人に求めるものを提供したほうが絶対いいです。
今回技術情報は、あぁ使ってくれているな。とスポンサー様が納得すれば良いんです。
今回のプレゼン理想形
言い切ってしまうのも良くないので、理想のパターンの一つです。
IoTなんですよ。今の生活に勝手に考えてくれるシステムが意識もしないで組み込まれるの。
そうしたら、どんな生活になるの?
ここを主眼に話して欲しいです。TEDみたいとかクラウドファンディングみたいですが、
要は「ああこんな生活になったら良いなぁ」と思わせたもの勝ちです。
それを実現できる素地がすべて伊那市のハッカソンには揃っているので、活用しない手はありません。
実装力もさることながら実現力がものを言わせる感じですよね。
共感を呼ぶというのは本当に難しいですが、ここにチャレンジしないと意味がなくなってしまいます。
IoTの先には人がいる
IoTってなに?って究極的に言うと、人が考えないといけないことを減らしてくれる。
その分人間はもっと自分の時間を活用できるという考え方に基づいています。
面倒なことを全部自動でやってくれるので、人間の仕事が奪われるとか言われちゃってますが、面倒なことがなくなったら、空いた時間でもっといろいろ出来ますよね。
IoTを活用すれば、自宅に近づいただけで、自動でエアコンが入り、加湿器が入り、電気毛布もセットされて、食事も作りたて、ビールも冷えてる。帰るだけでスイッチの一つも入れずにリラックスモードの家に帰ってこられる安心感。
今はまだスマホからスイッチ入れてとかやることが多いですが、究極的には考えることを極限まで無くすことだと思います。
そんな生活を提案できるレベルから、落とし込んで今ある技術を組み合わせていく。
プレゼンファーストというか、生活がどう変わるかというのを逆算して設計していく。
今はこれだけど、今後こういうステップで生活が変わりますよ。というビジョンを明確にしてくれるのがプレゼンテーションです。
決して自分が頑張った!と誇る場ではありません。
聞いてもらう。という意識でいよう。
プレゼンの時間はみんなが耳を傾けて当然と思っていませんか?
実はそれはかなりの勘違いです。
聞いてもらえるだけラッキーです。プレゼンする側が偉いんじゃなくて、聞いてもらう側が偉いんです。
だって聞くということは能動的にその人の時間を使ってもらうことになりますから。
聞く自由というのが、どの場面でもあると思った方が安心です。
もしかしたら急な連絡があったりしてすぐにでも対応しなきゃいけない心中穏やかじゃない人もいるかも知れませんし、
今すぐにトイレに行きたい人も頑張ってその場にいるかも知れません。
その時間を拘束させていただいてプレゼンを聞いてもらうので、プレゼンする側の人もそれなりの誠意をもって発表しましょう。
また、プレゼン原稿を事前に作って練習するのもありではありますが、たとえ時間ピッタリに終わる原稿を完璧に作ったとしても、今回の場合デモという時間が読みづらいものも見せ場なので、原稿を覚えていると時間変更に対応出来ず時間オーバーになる可能性もあります。
原稿を書いたらポイントだけすくい上げて、それだけを言う。と決める程度の方が良いと思います。読み上げると結構ペースが変わったときに真っ白で話せなくなる事になりかねないのと、やっぱり自分から出てくる言葉の方が伝わりやすいです。書き言葉と話し言葉は違います。原稿は資料としてブログにしてしまいましょう(´ω`)
例えば聞いて貰える人がその場で70%も居てくれたとしたら、
その内容を大体分かってくれる人がその半分以下。
どれだけ分かりやすくしてもこの程度。
じゃあそのプレゼンを聞いてやってみよう!と共感して動いてくれる人は更にその1%未満です。
自分だってプレゼンを聞いて申し込んでみようとか、続けてみようとかやってみようとか重い腰を上げるのって結構たいへんじゃないですか?
人が動いてくれない。得点を入れてくれない。こういうのは当然としていかに、
ミライを見せよう
わくわくしてすぐにでもやりたくなるか。
この流れにもっていくのは本当に至難の業だと思います。
決してキレイなデモや、かっこいい発表で簡単になせることではありません。
いかがでしたでしょうか。
思いの外、長文となりましたが、せっかく頑張ったのにプレゼンでうまく伝えられなくて入賞出来なかった。
ということにならないよう、たまにはプレゼンも頑張ってみませんか?
営業では無いのですが、魅力的なものをもっているのは当然です。その魅力を150%増しで伝えて、ようやく100%伝わる位の肌感で注力するのもたまにはいいじゃないですか。
伊那市を「支える」技術で、誰もこの技術を使ってるから利用している。というわけではないと思います。
支える土台を見るのは工場見学のようなもので、興味が出たときに紹介する程度。(技術はもちろん大事ですよ!)その上で何が実現できるのか。
そんなことを考えるのはワクワクするじゃないですか。存分に楽しみましょう!
ご質問などありましたらお気軽に聞いてください(・ω・)ノ